10月5日、ラスベガスのT-Mobileアリーナが再び格闘技の聖地となる。
何といっても今回の目玉はメインイベントのライトヘビー級タイトルマッチ、アンカラエフ vs ペレイラ。
両者の因縁は、2024年末のUFC 297に遡ります。
当時ペレイラは2023年に獲得したライトヘビー級王座をUFC史上最短となる175日間で3度の防衛を果たす記録を打ち立て無双しておりましたが、アンカラエフが挑戦者として台頭。試合はアンカラエフの判定勝利で幕を閉じ、王座交代が起きました。
この結果に対し、ペレイラ陣営は「消極的な試合運び」「真の王者は誰か」という議論を巻き起こし、再戦を求める声が高まりました。
UFC 320はそのリベンジの舞台であり、真の王者を決める決着戦となる。
ここで二人のスタイルの違いを比較してみましょう。
アンカラエフは、ロシアのダゲスタン出身。サンボをベースにした堅牢なグラップリングと冷静な試合運びで、ライトヘビー級の頂点に立ちました。
一方のペレイラは、ブラジルのキックボクシング界からUFCに殴り込んだ爆発的なストライカー。GLORY王者としての実績を引っ提げ、ミドル級で王者になってからライトヘビー級へと階級を上げてきました。
この二人のスタイルは、まさに格闘技の原型的な対立構造。
アンカラエフは「崩さない」、ペレイラは「壊す」。その哲学の違いがこの試合に絶妙な緊張感を生みます。
また、アンカラエフは、試合中も表情を変えず、計算された動きと戦術で相手を封じるタイプでペレイラは入場から試合終了まで闘志をむき出しにするタイプで観客の熱狂を味方につける。
ペレイラが序盤で流れを掴めば、アンカラエフの冷静さが試される。
逆にアンカラエフが試合をコントロールすれば、ペレイラの爆発力が空回りする可能性もある。
冷静 vs 狂気
この精神性の違いは、試合の流れに大きな影響を与えることになりそうです。
ライトヘビー級の未来を決める分岐点となるこの対決は、単なるタイトルマッチではない。スタイルの衝突、キャリアの交錯、そしてリベンジの炎が燃え上がる、格闘技史に残る可能性を秘めた因縁の戦いだ。
（Staff Suzuki)